輸血ドナー登録の
取り組みの始まり
人と同様に犬や猫にも輸血が必要なことがあります。
動物には血液バンクがなく、血液の確保がとても難しいのが現状です。
そこで京都動物医療センターでは血液ドナープロジェクト「てんごの結(むすび)」を立ち上げました。
名前の由来は、最初にドナーになり命を繋いでくれたアニマルスタッフ、てんごちゃんの名前をもらい血液バンク名を決めました。
二次診療施設である当センターには、輸血が必要となる重症な動物たちが数多く来院します。多くの命を救うために、輸血ドナーの登録にご協力をお願いします。
アニマルスタッフ てんご
ドナー条件
犬 | 猫 | |
---|---|---|
年齢 | 健康な成犬(1~8歳) | 健康な成猫(1~8歳) |
体重 | 15㎏以上 | 4㎏以上 |
予防 | フィラリア予防 ワクチン接種 ノミ・ダニ予防 |
ワクチン接種 ノミ・ダニ予防 |
性別 | 交配経験・予定のない雄 妊娠や出産経験・予定のない雌 |
|
生活環境 | 屋内・屋外どちらでも可 | 屋内のみ |
※以下の項目に該当する動物はご登録いただけません。
- 過去に「輸血を受けた」ことがある
- 妊娠・出産したことがある
- 全身性の重度の感染性皮膚疾患がある
- 過去に血液媒介性の感染症に罹患した、あるいは疑いがある(バベシア症、犬ブルセラ症など)
- 過去に血液媒介性の感染症に罹患した、あるいは疑いがある(猫免疫不全ウイルス(FIV)、猫白血病ウイルス(FeLV)、ヘモプラズマ(ヘモバルトネラ)など)
- 秋田犬およびその交雑種である
※血液ドナー負担軽減のため、輸血は4か月以上の間隔を空けます。
※満8歳を迎えた時点、輸血に支障をきたす疾患に罹患した時点で献血依頼を終了とさせていただきます。
※採血部位(首、もしくは前の脚)の毛刈りをさせていただく場合があります。
ドナー登録・採血の流れ
1.お申込み
登録の条件や検査、献血についてご説明を致しますので、まずはお気軽にご連絡下さい。
申し込み方法→下記問い合わせフォームにて情報をお送りください。
情報確認次第、メールまたはお電話にてご連絡いたします。
2.受付
まずは登録時の検査のため来院していただきます。検査当日はご飯を抜いて(来院4時間前から)、来院3時間前からは飲水も控えてください。問診票に事項の記載をお願いいたします。
個人情報の保護は厳守いたします。
3.健康診断
登録時には献血ドナーの条件を満たしていることを確認するために検査を行います。検査の内容は問診、身体検査、血液検査(血液検査、血液型、肝機能・腎機能などの生化学検査、止血機能検査、フィラリア・バベシアなどの感染症の検査)です。
身体検査上問題なければ、血液検査のための採血を行います。
※採血後は血液検査の結果が出るまで30~40分程度お待ちいただきます。
検査結果は飼い主様にお伝えいたします。ドナー登録の条件を満たしている場合は、ドナーとして本登録し、1回目の献血採血の予定を相談いたします。
4.献血採血
採血時に健康状態が良いことを確認します。
採血は毛刈りと消毒をおこなった後、頸静脈からおこないます。採血料は体重によって変化します。
採血後に十分に止血したのち、採血料と同量以上の静脈点滴または皮下点滴をおこないます。
※場合によっては鎮静剤を使用します。採血の際、必要に応じて採血部の毛刈りを行います。
当日はご自宅にて安静にしてお過ごしください。翌日からは通常通りの生活が可能です。
再度、献血をお願いするときは、事前にこちらからご連絡し、日程を調整いたします。
採血は、原則として1年に3回(4カ月に1回程度)の予定です。なお、2回目、3回目の献血採血の前にも健康診断(身体検査と血液検査)を実施いたします。また、登録時に緊急献血にご同意いただいた方には、新鮮な血液が必要になった際に、当日、緊急献血のご依頼をさせていただく場合もあります。
輸血ドナー登録の更新について
1年ごとの登録更新をおこないます。更新時には初回登録時と同様の検査(健康診断)を実施いたします。
ドナー登録は飼い主様の自由意思によるものです。献血ドナーに参加することに同意された後であっても、飼い主様の申し出により、いつでも登録を取り止めることができます。
特典
感謝の気持ちといたしまして、献血時に粗品を差し上げます。また飼い主様のご了解をいただけた場合には、当院のHPならびに院内に、愛犬・愛猫のお写真とお名前を掲載させていただきます。
引退時には感謝状と記念品をお送りいたします
問い合わせフォーム
よくあるご質問FAQ
Q1 検査や採血の時間はどのくらいかかりますか?
A 通常、約1時間ほどです。
Q2 献血採血した後(当日)は入院しますか?
A 献血採血後に、採血量と同量以上の静脈点滴または皮下点滴を行い、様子を見ます。問題がなければ、その後ご帰宅いただけます。
Q3 献血採血後に気をつけることは?
A 当日はご自宅にて安静にしてお過ごしください。翌日から通常通りの生活が可能です。
Q4 献血採血により健康を害すること=副作用はありますか?
A 通常はありません。事前に健康診断を行い、また動物の状態に注意しながら安全性に最大の配慮をして、獣医師が採血いたします。まれに採血部位に内出血が見られることがありますが、数日で元に戻ります。 献血後に体調を崩す(ふらつき、消化器症状など)ことは通常ありませんが、万一体調の変化にお気づきになった場合は迅速に対応させていただきますので当院にご連絡ください。採血に使用する器材は全て滅菌された新品を1回ずつ使用します。
採血により病気が感染することはありません。
Q5 検査結果の詳細はお知らせしてもらえますか?
A はい、お知らせします。また、必要であれば詳しくご説明いたします。
Q6 検査により異常がみつかり登録できなかった場合に検査費用はかかりますか?
A いいえ、かかりません。
Q7 検査によって異常が出た場合に治療をしてもらえますか?
A まずはかかりつけ医にご連絡し、相談の上、当院での治療が必要な場合には有料で行います。
Q8 緊急に献血することはありますか?
A はい、ございます。こちらからお電話差し上げ、ご協力いただける場合にはご来院をお願いします。
Q9 謝礼や交通費の支給はありますか?
A 申し訳ありませんが、支給できません。ボランティアとしてご協力いただくことになります。献血にご協力いただいた方には、当院より粗品をお贈りいたします。
また献血ドナー引退時に感謝状と記念品を贈呈いたします。ご希望の方には、当院ホームページに愛犬・愛猫のお写真を掲載させていただきます。
- 血液型がわかります
- 血液検査を無料で受けられます
- 献血時に粗品を差し上げます
- 献血ドナー引退時に、感謝状と記念品を贈呈
※特典の内容変わります
Q10 食事を与えることができないのはなぜですか?
A 食後に血漿部分が乳白色を示す乳びという状態になります。一般的に食事で摂取された脂肪は食後徐々に血中で増加し、4~6時間でピークとなり次第に低下していきます。血液検査が正しく行えなかったり、血液製剤となったときに「外観不良」と判定され、使用できなくなってしまう可能性があるためです。当日の食事は、予約時間の4時間前までにお済ませください。
お申込みおよび
内容に関するお問い合わせ
京都動物医療センター | TEL:075-251-7252 |
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御所南動物クリニック | TEL:075-251-7251 |
メール問い合わせ | tenmusu@animal.kyoto |
※お電話は大変込み合っております。
メール問い合わせ窓口を設けておりますので、お名前・お電話番号、件名に「輸血ドナー登録希望」とご入力いただき
メールを「tenmusu@animal.kyoto」までお送りください。輸血ドナー担当者からご連絡いたします。
輸血を受けた方からの
ありがとう
輸血が行われるということは必ずどなたかの善意でこの治療が成立しています。
皆様のご協力のお陰で多くの命が救われています。献血にご協力くださったワンちゃん・猫ちゃんとそのご家族様には心より感謝いたします。